むぬ/むん (もの・物) – 沖縄の心(しまぬくくる) 「うちなーぐち・ウチナーグチ・島言葉・沖縄方言」の紹介


[もの、物]

むぬ/むん=もの、物物質・物体としての[もの、物]という意味です。
【3母音化の原則】にピッタリとはまっている言葉で、“物”(もの)→(むぬ)に変化したわけです。“むん”は、“”むぬ”より言いやすいように変化したものと思われます。

「物」がつく“うちなーぐち”(沖縄方言)】
こーいむん[買い物]、 くぇーむん[食べ物](食い物)、 ぬみむん[飲み物]、ないむん[果物、果実]、 やちむん[焼き物、陶器]、 いーりむん[おもちゃ]、たからむん[宝物]、 わしりむん[忘れ物]、 ぬくいむん[残り物]、 あれーむん[洗い物、洗濯物]、 まじむん[魔物、悪霊の総称]

【「物」がつくけど、“むぬ/むん”がつかない“うちなーぐち”(沖縄方言)】
ちん[着物]、 ぬぬ[織物]

また、“うちなーむん”と言えば、沖縄の物 → 沖縄県産品という意味でよく使われます。

“物(むぬ/むん)”には、[もの、物]としての意味以外に、
食べ物としての“むぬ/むん
人物としての“むぬ/むん
物事としての“むぬ/むん
があります。

【3母音化の原則】
標準語 → 沖縄語
「エ」段音 → 「イ」段音
「オ」段音 → 「ウ」段音

◇関連語

いー・むん、やな・むん play
[いい物、悪い物]

むぬ・うとぅ
[ものおと、物音]
主として、不幸などを知らせる予言的な音をいい、「ちぐとぅ」とも言う

むぬ・あたらさ play
[物を大事・大切にすること]
あたらさん=大切である

むぬ・あたらさー
[物を大事にする人]

◇例文

いゃー・むん、わー・むん play
[お前のもの、俺のもの]

いっぺー、みじらし・むん、やいびーさー・やー play
[とても珍しい物ですね]

ぬーがな、むぬうとぅ・ぬ・ちかりーん play
[何か物音が聞こえる]

むぬうとぅ・ぬ・すたしが、ぬすどー・あらに play
[物音がしたけど、ドロボーじゃないか?]

むぬ・あたらさっし、くさらち・ねーん play
[大切にしすぎて腐らせてしまった]

しーじゃー・や、むぬあたらさ・すくとぅ、ぬーやてぃ・ながむち・すん play
[年上の人は物を大切にするから何でも長持ちする]

むぬあたらさー・や、あるっさ・うちきとーん play
[物を大事にする人は、あるものみんな置いてある]
うちきゆん=物を置く

◇うちなーぐち・沖縄方言・手動連続再生

うちなーぐち・ウチナーグチ・沖縄方言・手動連続再生

◇メモ

シンプル・ライフ今はなんでも手に入る時代ですから、物をたくさんもつ豊かさより、物を持たない気楽さのほうがいいのではないでしょうか。
1つも持たないわけではなく、本当に必要な物だけを持ち、物を持たないシンプル・ライフはいかがですか。

・本人がごみだと気づいていないごみがある。
・「いつか使うかもしれない物」にかぎって、一生使うことはない。
・「使うか使わないか」を基準に考えよう。
・中途半端な物は、出番も中途半端。
・自分が必要だと思い込んでいるだけ、なくなっても困らない。
・最後に残った物が、本当に必要な物である。

捨てるのがもったいなら、買う段階で改めて考えることが必要ですよね。
なかなか実践は難しいですが、徐々に~。