なちかさん – 沖縄の心(しまぬくくる) 「うちなーぐち・ウチナーグチ・島言葉・沖縄方言」の紹介


[悲しい]

なちかさん=悲しい悲しい気持ちを表している“うちなーぐち”(沖縄方言)です。「悲しいほど愛しい」という感情も含まれています。

今では「なちかさん」[懐かしい]という意味のほうが多く使われているようでして・・・下記、メモをご覧下さい。

なちゅん[泣く]、なちぶさー[泣き虫]の“泣く”という意味と連携すると覚えやすいのではないでしょうか。「なちゅん」「なちかさん」 泣くほど悲しい…と!

◇例文

なちかしー・しばい play
[悲しい芝居]

わんや、いっぺー・なちかさん play
[私は、とても悲しいよ]
いっぺー=とても

なまー、なちかさん・やいびーん play
[今は、悲しいです]

なちかしく・なてぃ、なだ・ぬ、うてぃーたん play
[悲しくなって、涙が流れました]
なだ=涙
うてぃーん=落ちる → 涙なので“流れる”と表現

おじぃー・や、ぐそー・んかい・めんそーち、なちかさん play
[おじいさんが、あの世へいって(亡くなって)悲しい]
ぐそー=あの世
めんしぇーん=[いる、行く、来る]の敬語

なちかさん・くとぅ・やてぃん、いちち・いかんと・ねーらん play
[悲しいことがあっても、生きていかないといけない]
いちちゅん=生きる

なちかさん・くとぅ、わしー・し、ましどー play
[悲しいことは、忘れたほうがいい]
わしーん=忘れる

◇うちなーぐち・沖縄方言・手動連続再生

うちなーぐち・ウチナーグチ・沖縄方言・手動連続再生

◇メモ

なちかさん=懐かしい「なちかさん」の意味として、今では[懐かしい]が多くなっていて、これは間違った使い方が一般化しているようです。言葉は意思疎通ができていれば、今では正しいということになりますね~。

あれー、なちかさっさー play
[あれは、なつかしいねー]

あんし、なちかさる play
[とても、なつかしい!]

なちかしさよー! play
[なつかしいね!]

「懐かしい」の意味の古典的“うちなーぐち”(沖縄方言)では「あながちさん」といいますが……ほぼ「死語」のようで、今では使われていないようです。そのため、「なちかさん」は、[悲しい]と[懐かしい]という二つの意味があると理解した方がいいでしょう。