5月 26 2012
わん/わー
[僕、私、俺、自分](人称代名詞/一人称)
自分自身のことをいい、「わん(我ん)」「わー」どちらもよく使う“うちなーぐち”(沖縄方言)です。
「わー」に似た言葉で「うゎー」があり、これは[豚]になります。子供の頃、「わー」と「うゎー」の違いが分からなく、親に「おまえは豚か?」と言われたことがありました。
また、まったく方言を知らない孫は、じいちゃん・ばあちゃんの会話の中に出てくる「わん」「わんよ」と言うことが珍しいらしく、「おばちゃん達、人間なのに“ワン!”と言っているよ」ということもあるとか・・・。
◇関連語
「わん、わー」は、うしろに付く助詞によって形が不規則に変わっていきます。厳密なルールとは違い、以下のような言い回しが多いです。(こういうのも、てーげー主義?!?)
わんが | わーが | [わたしが] |
わんや | - | [わたしは] |
わんねー | - | [わたしは] |
わんにん | わーにん | [わたしも] |
わんぬ | わーぬ | [わたしの] |
わんがー | わーがー | [わたしには] |
また、一人称単数の人称代名詞には、性別(男・女)・敬語による区別はないそうですが、個人的な感じからすると、男性の方がよく使い、女性が使うとちょっと品がない感じをうけてしまいます。女性は、どちらかというと女性の場合、「うち」と言うのが多いようですね。“うちなーぐち”(沖縄方言)ではないですが・・・。
単数 | わん | [私] |
複数 | わったー | [私達] |
「わったー(我達)」は、複数形の[私たち]にあたりますが、「わが家」「うち」という意味もありまして、自分の妻でも、「わったー、とぅじ」と表現します。
◇例文
わん・ちら
[私の顔]
ちら=顔
うちなーぐちでは、日本語の所有を表す助詞[の]に当たる言葉「ぬ」は、「わん・ちら」のように、全く使われない場合もあります。
わんや・いちゅん
[わたしは行く]
わんねー、学生やん
[僕は学生です]
わんぬ・どっし・やん
[俺の友達だ]
どっし(同士)=友達、友人
「わん・どぅし」ともいいますね。
わんがん・ないん
[わたしでも、できる]
わんにんかい、みしれー
[わたしにも、見せて]
わったー・しんしー
[私たちの先生]
しんしー=先生
「わったー・ぬ・しんしー」とは言わない
わったー、とぅじ・やいびーん
[わたしの妻です]
とぅじ=妻
ちゃー・なんじそーん、わんやさ
[いつも難儀しているのは、自分だよ]
なんじ=難儀、苦労
わんから・わんから
[我から我から]
我さきにと急ぐさま
◇うちなーぐち・沖縄方言・手動連続再生
◇メモ
「おれだよ、おれ。」と電話をかけ、電話に出た者がうっかり「△△かい?」と言うと、「そう、△△。事故にあってお金が必要になった。すぐにお金を振り込んで。」などと言い、指定した銀行口座に振り込ませる「オレオレ詐欺」。
これを“うちなーぐち”(沖縄方言)だと、「ワンワン詐欺」になるのである。「わん・やしが、わん・どー」と電話が来たら、「たー・やが、ぬー・あびちょーん」[誰だ?何を言っている?]と言って撃退しましょう。