わん/わー – 沖縄の心(しまぬくくる) 「うちなーぐち・ウチナーグチ・島言葉・沖縄方言」の紹介


[僕、私、俺、自分](人称代名詞/一人称)

わん、わー自分自身のことをいい、「わん(我ん)」「わー」どちらもよく使う“うちなーぐち”(沖縄方言)です。

「わー」に似た言葉で「うゎー」があり、これは[豚]になります。子供の頃、「わー」「うゎー」の違いが分からなく、親に「おまえは豚か?」と言われたことがありました。

また、まったく方言を知らない孫は、じいちゃん・ばあちゃんの会話の中に出てくる「わん」「わんよ」と言うことが珍しいらしく、「おばちゃん達、人間なのに“ワン!”と言っているよ」ということもあるとか・・・。

◇関連語

「わん、わー」は、うしろに付く助詞によって形が不規則に変わっていきます。厳密なルールとは違い、以下のような言い回しが多いです。(こういうのも、てーげー主義?!?)

わんが わーが [わたしが]
わんや   - [わたしは]
わんねー   - [わたしは]
わんにん わーにん [わたしも]
わんぬ わーぬ [わたしの]
わんがー わーがー [わたしには]

また、一人称単数の人称代名詞には、性別(男・女)・敬語による区別はないそうですが、個人的な感じからすると、男性の方がよく使い、女性が使うとちょっと品がない感じをうけてしまいます。女性は、どちらかというと女性の場合、「うち」と言うのが多いようですね。“うちなーぐち”(沖縄方言)ではないですが・・・。

単数 わん [私]
複数 わったー [私達]

「わったー(我達)」は、複数形の[私たち]にあたりますが、「わが家」「うち」という意味もありまして、自分の妻でも、「わったー、とぅじ」と表現します。

◇例文

わん、やいびーん play
[わたしですよ]

わん・ちら
[私の顔]
ちら=顔
うちなーぐちでは、日本語の所有を表す助詞[の]に当たる言葉「ぬ」は、「わん・ちら」のように、全く使われない場合もあります。

わんが・いちゅん play
[わたしが行く]

わんや・いちゅん
[わたしは行く]

わーが・すん play
[わたしがする]

わんねー、学生やん
[僕は学生です]

わんにん、いちゅん play
[わたしも行く]

わんぬ・どっし・やん
[俺の友達だ]
どっし(同士)=友達、友人
「わん・どぅし」ともいいますね。

わんがー・ならん play
[わたしには、できない]

わんがん・ないん
[わたしでも、できる]

わーむん・どー play
[わたしの物です]

わんにんかい、みしれー
[わたしにも、見せて]

わったー・しんしー play
[私たちの先生]
しんしー=先生
「わったー・ぬ・しんしー」とは言わない

わったー、とぅじ・やいびーん
[わたしの妻です]
とぅじ=妻

ちゃー・なんじそーん、わんやさ play
[いつも難儀しているのは、自分だよ]
なんじ=難儀、苦労

わんから・わんから
[我から我から]
我さきにと急ぐさま

◇うちなーぐち・沖縄方言・手動連続再生

うちなーぐち・ウチナーグチ・沖縄方言・手動連続再生

◇メモ

オレオレ詐欺「おれだよ、おれ。」と電話をかけ、電話に出た者がうっかり「△△かい?」と言うと、「そう、△△。事故にあってお金が必要になった。すぐにお金を振り込んで。」などと言い、指定した銀行口座に振り込ませる「オレオレ詐欺」

これを“うちなーぐち”(沖縄方言)だと、「ワンワン詐欺」になるのである。「わん・やしが、わん・どー」と電話が来たら、「たー・やが、ぬー・あびちょーん」[誰だ?何を言っている?]と言って撃退しましょう。