どぅー – 沖縄の心(しまぬくくる) 「うちなーぐち・ウチナーグチ・島言葉・沖縄方言」の紹介


[自分、自分自身、本人、身体]

どぅー=自分自身漢字表記では胴体の“胴(どう)”となっていて、身体、自分自身という意味になります。

「どぅー」と似た言葉で、「わん」[俺]がありますが、少しニュアンスが違います。
「わん」は、本当に自分で自分を指す“うちなーぐち”(沖縄方言)。
「どぅー」は、他人が「あなた自身が~」の感じで“自分のこと”をさします。

具体的に言いますと、
「わー・むん」は、Aさん自身の発言で、自分のものだと主張しているわけです。
「どぅー・ぬ・むん」は、他人のBさんの発言で、Aさんのものだよと言っていることになります。
「どぅーのことは どぅーでしないと!」と、親はよく言いますね。

◇関連語

どぅー・ぬ・とぅじ play
[自分の妻]

どぅー・がってぃ
[自分勝手、身勝手な者]

どぅー・かんげー play
[自分だけの考え、独断]

どぅーくる
[自分で、自分自身で]

どぅーなー play
[自分たち、めいめい](複数形)

どぅーなーくる
[自分たちで、めいめいで]

◇例文

どぅー、がんじゅーさ・しみそーりよー play
[身体を、頑丈(健康)でいてね → 身体を大切にしてね]
病人やお年寄りへのいたわりの言葉

どぅー・ぬ・んまりじま、まーやが play
[自分の生まれた島(出身地)は、どこですか?]

どぅー・ぬ、むん・さー play
[(相手に対して)自分のものだよ]

どぅーが、ちばりよー
[あなた自身が、がんばれよ]

どぅー・ぬ、はなしばかり・さんけー play
[自分の話ばかりするな]

どぅーくる・あっちゅん
[一人で歩く]

どぅー・ぬ・くとぅ、どーくる・かんげーれー play
[自分のことは、自分自身で考えなさい]

ありがー、どぅーくる・むどぅてぃ・ちゅーん play
[あれ(彼)は、自分で戻ってくる]

どぅーなー・や、あしろーてぃ、わったーんかい・しみーん play
[自分たちは遊んでいて、我々にさせている」

どぅーなー・ぬ・かんげーん、ちちみそーれー play
[我々の考えを聞いてください]

どぅーなーくる・しぇー play
[自分たちでしろ](強い命令)

うやが・いしぇー・ちかん、どぅーがってぃ・びけーん・し、ないしぇー・あらん play
[親が言うのはきかない、身勝手ばかりしてはいけない]

どぅー・かんげー・びけーん・し、ちゅんかい・うしちきーん play
[自分の考えだけで、人に押しつける]
ちゅ=人
~んかい=~に
うしちきーん=押しつける

どぅー・ぬ・くとぅ・かんげーてぃる、ちゅぬ・くとぅ・かんげーる play
[自分のことを考えてから、人(他人)のことは考える]

ちゅ・ぬ・くとぅ・や、どぅー・ぬ・くとぅ play
[人のことは、自分のこと]
他人に起こった出来事は、自分のことと考えよ
「人の振り見てわが振り直せ」と同じような意味のことわざ(黄金言葉)です。

◇うちなーぐち・沖縄方言・手動連続再生

うちなーぐち・ウチナーグチ・沖縄方言・手動連続再生

◇メモ

自分自身とは?自分自身のことは、わかっているようで意外とわかっていないものです。自分らしくない自分、こう見られたい自分、自分でも知らない自分・・・・いろいろな自分がいると思いますし、人生について考える時、自分が本当にやりたいことは何か、どういうことに「幸せ!」を感じるのか、人生に望むものは何か・・・・自分の本質を知ることは難しいと思います。

中国思想家“老子”の言葉に、
他者を知ることは知恵。自分を知ることは悟り。
とあります。“悟り”・・・開けるだろうか・・・。