しからーさん – 沖縄の心(しまぬくくる) 「うちなーぐち・ウチナーグチ・島言葉・沖縄方言」の紹介


[寂しい、せつない]

しからーさん=寂しい、せつない寂しい、せつないという意味の“うちなーぐち”(沖縄方言)です。胸が張り裂けそうになるほどの孤独感や、悲しくて泣きたくなる死別などの悲哀の“寂しさ、せつない”が、「しからーさん」となります。

「なんか寂しい」「なんか悲しい」などの比較的軽めの寂しい時は、「さびっさん」を使い、死別など辛く悲しいほどの強烈な寂しさは、「しからーさん」を使います。

◇関連語

ちむ・しからーさん
[心寂しい、心の底から寂しい]

◇例文

しからーさん・やいびーん
[(しみじみと心から)寂しいですねぇ]

ちゅい・ぐらし・やしが、しからーこーねーん
[一人暮らしだけど、寂しくはない]

ながれー、かたうむい・っし、しからーさたん・よー
[長い間、片思いして、寂しかったよ]

んまが・けーい・ねー、しからーさん・やー
[孫が帰ったら、寂しいねぇ]

どぅーちゅい・やいねー、ゆさんでー・かわてぃ・しからーさん・やー
[自分一人だと、夕暮れに変わって、さびしいなー]
ゆさんでー=夕暮れ
かわゆん=変わる、変化する

とぅじ・うしなてぃ、あんし・ちむ・しからーさがやー
[妻を失ってこんなに心寂しいものなのかね]

ちむ・しからーしく・なてぃ、やー・ぬ、うちんかいる・いゆる
[心さびしくなって家の中にいる]
やー=家

◇メモ

やーさん、ひーさん、しからーさん南風原文化センターに建てられている学童集団疎開記念碑の裏面には、
やーさん[ひもじい] ひーさん[寒い] しからーさん[寂しい]
という文字が刻まれています。

これは、沖縄戦から疎開した子どもたちの苦痛を表現した“うちなーぐち”。
九州の疎開先で待ち受けていたのは、食糧難によるひもじさと、味わったことのない寒さ。そして、家族と別れた寂しさでした。

◇メモ

-集団疎開学童の証言-
沖縄戦の戦火をのがれた疎開住民の体験もまたひとつの沖縄戦・・・ドキュメンタリー映画