命どぅ宝 – 沖縄の心(しまぬくくる) 「うちなーぐち・ウチナーグチ・島言葉・沖縄方言」の紹介

 

ぬち・どぅ・たから

うちなーぐち・ウチナーグチ・沖縄方言・黄金言葉

[命こそ宝]

命どぅ宝ぬち=命
生命は何よりも大切なもの、命こそが尊い一番大事な宝である。命を粗末にするな。という意味です。

今、この時を「生きている」。どんな状況であれ・・・今ここに自分が生きている。
今ここに存在することで、天命を生きています。
そして、「天命」輝くような生き方を目指すことが、「人生」の目標なのではないでしょうか。

「命さえあれば、生きてさえいれば、前に進める。」
「命さえあれば、どんな希望でも見えてくる。」
「命さえあれば、それだけで、幸せ。」

平和の礎沖縄では、太平洋戦争での沖縄戦(1945年・昭和20年)において、日米軍人及び民間人を合わせた地上戦で、戦没者が約20万人と言われています。そのうち、沖縄県民の犠牲者が約15万人(当時の沖縄人口が約57万)であり、県民の4人に1人が犠牲となったことになります。米軍攻撃だけではなく、集団自決、日本軍の住民殺害、マラリヤによる病死などによる悲惨な歴史があるからこそ、「死んでしまってはおしまい」「生きてこそ世のため、人のためにもなる」・・・命の重みが、『命どぅ宝』に託されています。

命どぅ宝

『命どぅ宝』
今では、反戦以外でも、「交通安全週間」等のキャッチコピーでも使われ、暴走行為飲酒運転による命を粗末にする行為をやめようということでも、使われています。

また、豊かで平和な日本において、学校や会社でのいじめ、家庭内の虐待・暴力鬱病、そして自殺と、不健全な病んだ社会になり、『命』を粗末にする行為も、たびたび起きてます。

ここ沖縄で、男性の自殺率は、ここ数年、全国上位の状況が続いています。女性の自殺率を非常に低いそうで、ここでも、うちなー女性が強いデータがでていて、うちなー男性は打たれ弱すぎなのかもしれません。

悩まない人なんて、また、悩みを抱えない人なんて、この世にはいません。あなただけではない。
「これも人生にとって何か必要なことかも知れない。
死ぬわけじゃないから、やれるだけのことはやろう。

『命』は、自分だけのものではない!ことも、『命どぅ宝』なのです。

◇類義語・ことわざ・言い回し

「命に過ぎたる宝なし」

「命は宝の宝」

「死んで花実が咲くものか」

「命あっての物種」

「人生、生きているだけで丸儲け」 by 明石家さんま

◇YouTube

『ぬちどぅ宝~ぬちどぅたから~』という曲です。
沖縄出身アーティストの東風平 高根(こちひら たかね)は、全国で三線ライブを全国各地で行っています。
東風平高根OfficialWebSiteは、こちら~

◇メモ

戦さ世んしまち
みるく世ややがて
嘆くなよ臣下
命どぅ宝

「戦の時代は終わった。やがて、平和で豊かな時代がやって来るだろう。嘆くな、臣下。命こそ宝(命を粗末にはするな)。」

この言葉は琉球王朝最後の国王である尚泰が、琉球処分で首里城を明け渡すときに民の前で歌った琉歌(和歌とは違い8、8、8、6という字数、リズムに柔らかさがある)とされていますが、歴史的事実ではなく、「首里城明渡し」という沖縄芝居の中で歌われたようです。
フィクションではありますが、芝居の中から、一般に広まり今に至ります。
平和を希求する沖縄の心を表す言葉として、いつまでも語られていくと思います。