ポジティブな企業文化の必要性

企業文化はビジネスにおいて不可欠な部分です。従業員のエンゲージメントを促進し、従業員の成功への意欲を高めることは、企業業績だけでなく、会社のほぼすべての側面に影響を及ぼします。ポジティブな企業文化がなければ、多くの従業員は自分の仕事に価値を見出せず、職場全体の士気の低下や離職など、様々なネガティブな結果をもたらし、企業業績の悪化の原因にもなってしまいます。そうならない為にも、ここでは、ポジティブな企業文化を構築する方法を考えていきます。

 

1.チームとしての会社の目標・価値観を決定する

まずは、会社の価値観と目標を明確に決定しましょう。企業文化を生み出すのは、会社に対する従業員の行動です。チームとして目標が決定され、リーダーが熱心であると、それは各個人にやる気を起こさせ、同僚にも波及します。製品を販売し、クライアントや顧客に優れたサービスを提供できるようにするには、企業は基本に立ち返る必要があります。例えそれが、BtoBのインフラ企業や建設業界、BtoCの飲食業界やオンラインカジノなどのIT企業であろうと、仕事の目的や意味を失ってしまわないように、目標と価値観を確立しておくことが重要です。

 

2.ポジティブなコミュニケーション

企業にとって、全員が同じ方向を向いていることは大切です。その為には、積極的なコミュニケーションは欠かせません。従業員の努力に感謝し、あらゆる種類のフィードバックを、できるだけ頻繁に、建設的に行える機会を持ちましょう。そうすることで、一人一人の「会社の一員」としての意識を高めることができます。その際は、前向きなメッセージに焦点を当てるようにしましょう。困難な状況下になった時、従業員の才能やスキルを向上させるのに役立つ支援関係を構築するためにも、従業員のフィードバックは重要です。業績評価であれ、フィードバック調査であれ、従業員の意見に耳を傾けることにより、職場環境をより良く、オープンでポジティブなものにします。

 

 

3.健康と福利厚生を促進する

仕事もまた人生の一部として「ポジティブに働く」ことが理想です。その為に、従業員の福利厚生の充実は欠かせません。仕事だけで遊びがないと、途方もない量のストレスの蓄積につながります。また、ストレスによる健康被害は、離職率や採用効率、企業業績などにも表れます。実際に、トレーニングジムや、メンタルヘルスサービスを含む健康診断、健康的なランチを提供する食堂を用意したり、積極的な休暇の取得を推奨している企業では、「働かなければいけない」という思考ではなく、「働きたい」という従業員が増えたというレポートもあります。従業員の精神的、肉体的、精神的健康を優先することで、結果、それが新規事業開発の加速化や企業業績にも繋がっています。

 

 

4.適材適所の場所

やはり、ポジティブな企業文化を作るには仕事をする場所がとても重要になります。都心で超高層ビルが立ち並ぶ街に自分の勤める会社があるパターンと、地方で製造業を中心に発展してきた街では、その土地の特徴によって文化が違うと感じることでしょう。住んでいる人から物価も違います。ですので、「どの地域のどの都市にに本社や支社を置くのか」といった企業における「適材適所の場所」も、ポジティブな企業文化を築き上げるのに、重要な要素の一つになります。また場所だけでなく、「オフィスのレイアウト」によっても企業文化が左右されるため、オフィス環境も「場所」に含まれます。例えば、大企業のオフィス環境では、食堂があったり、大きな休憩スペース、大浴場まである会社もあります。こういったことをするだけで、自然と社員同士のコミュニケーションが深まりやがて、企業文化へと発展します。

5.慣行を決定する

「慣行を決定すること」とは、会社や組織の中の、いわばしきたりです。例えば、社員旅行や毎日の朝礼、さらには運動会など、まるで国や宗教に根付いたしきたりのように「継続的」「日常的」に行われている行動です。企業にとって、どれだけ優れたビジョンや価値観を社員に示すことができても、それが社員に浸透し、ストレスを感じないような、慣行として行われなければ失敗に終わってしまいます。ポジティブな企業文化を形成するためには、ビジョンや価値観を社員一人一人の慣行に落とし込むことがとても重要です。その時に重要なのが企業から社員への働きかけです。もっと言えば、企業から社長、社長から部長、部長から一般社員へしっかり企業の概念を知ってもらうことです。一人一人の社員が「どういったポジティブな企業文化を築き上げたいか」を考えた上で、それを促すような制度やサポートを考えることが重要です。

 

 

6.ストーリーを持つこと

「ストーリーを持つこと」とは、創業者が企業を創業した時のエピソードや創業者の生い立ち、さらにはある商品・サービスを考案した経緯など、今後社内で繰り返し語り継がれる企業の歴史にまつわる話のことです。例えば、創業の場所やその時に抱いた思いや熱意、本社の移転した経緯やそこにかける情熱など、ポジティブな企業文化を作って行くには重要な要素になります。どの企業にもそれぞれ情熱を持ったストーリーがあり、社員の一人一人が共有する必要があります。企業の場所や土地に込められた想いも企業文化を作っていきます。働いている企業の創業ストーリーも知らないようであれば、ポジティブな企業文化は築きにいくです。企業のストーリーが今後未来永劫、語り継がれることで、企業文化はより強固なものになります。